
Seedance 2.0のキャラクター一貫性:公式ガイド
同じキャラクターを保つ公式手法を解説。参照構文、12枠の入力上限、音声とリップシンク、マルチショット用プロンプトを網羅します。
現在のSeedance 2.0がこの形になった理由は、キャラクターの一貫性にあります。このモデルは1回の生成で最大9枚の画像、3本の動画クリップ、3本の音声トラックを参照として受け取れます[1]。さらにByteDance公式のプロンプトガイドには、被写体を特定の参照画像に固定するための構文が明記されています[2]。コミュニティでよく見かける「同じキャラクターなのに別人になった」「2枚目の参照を無視された」といった不満の多くは、実際には文書化されているのに、ほとんど読まれていないルールに行き着きます。
本ガイドでは、ByteDanceの公式プロンプト資料、APIリファレンス、Dreaminaのチュートリアルから、そのルールをまとめました。さらに、公式な仕組みが存在しないもの(リクエストをまたぐキャラクターロックやseed)と、どのプラットフォームに属する機能か(リップシンクの扱い)も正直に線引きします。
要点
- Seedance 2.0の入力枠は、画像9枚+動画3本+音声3本です。 動画と音声はそれぞれ合計15秒までで、音声だけを送ることはできません[1]。
- 公式の紐付け構文があります。 番号付き画像から被写体を定義し(「subject@image 1」)、重要な参照ほど先に置きます。順序が重みに影響するためです[2]。
- ByteDanceの推奨は上限いっぱいではなく4~5個の参照です。 キャラクターごとに顔写真1枚と全身写真1枚を使い、同じ顔を複数アングルで並べるセットは避けるよう案内しています[2]。
- seedパラメーターも永続的なキャラクターIDもありません。 動画をまたぐ一貫性は、同一の参照セットを再利用し、
return_last_frameで続きをつなぐことで作ります[1][3]。 - 音声に関するガイダンスは実在しますが、リップシンクの表現はプラットフォーム固有です。 API資料は、音声参照が演技を誘導すると説明しています[1]。一方、明示的な「lip-sync」の保証が登場するのはDreaminaの資料であり、API資料ではありません[4]。
- マルチショットには公式パターンがあります。 ショットを番号で分け(「Shot 1… Shot 2… Shot 3…」)、ショットごとの厳密な秒数指定は信頼できないものとして扱います。これはByteDance自身が注意している点です[2]。
Seedance 2.0の12枠の参照予算を正確に理解する
Seedance 2.0は、各項目が役割を宣言するcontent配列を通じて参照を受け取ります。文書化された上限は、参照画像が最大9枚(JPEG、PNG、WebPなど。アスペクト比0.4~2.5、各辺300~6,000ピクセル、1枚30MB未満)、参照動画が最大3本で合計15秒以内、音声参照も最大3本で合計15秒以内です[1]。音声は被写体ではなく補助要素です。音声だけを送るリクエストはAPIで拒否されます[1]。
ほとんどの人がつまずく構造上のルールが1つあります。先頭フレームモードとマルチモーダル参照モードは、同じリクエストでは併用できない形式です[1]。モデルにアニメーション化する正確な開始フレームを渡すか、複数の参照素材を渡して構成させるかのどちらかです。1つのリクエスト内でこの2つの考え方を混ぜると、「画像を無視された」という結果になりやすくなります。
そして最も分かりにくい拒否を生むルールは、実在する人物の顔を参照として直接アップロードできないことです。この制限と、同意に基づく正式な利用経路については、別記事の利用不可エラー解説で詳しく扱っています。
キャラクターを固定する公式構文
ByteDanceのプロンプトガイドは、紐付け方法を非常に具体的に説明しています。標準パターンでは、番号付き画像から各被写体を定義し、資料ではその省略形を「subject@image 1」と示しています[2]。ローンチ記事のサンプルプロンプトでも同じ@形式の参照が使われています[5]。Dreaminaのチュートリアルも、エディター内で@AssetNameという形を採用しています[6]。この構文の目的は曖昧さをなくすことです。複数の参照がある場合に、顔はどの画像、衣装はどの画像、場所はどの画像に属するかをプロンプトで明示できます。
その構文と併せて、ガイドは次の4つの実践ルールを示しています[2]。
- 参照は12個ではなく4~5個にする。 資料は入力枠を上限まで埋めないよう推奨しています。素材を増やすたびに注意が分散します。
- キャラクターごとに、顔写真1枚と全身画像1枚を用意する。 複数アングルを重ねるより、この組み合わせのほうがアイデンティティを安定させます。
- 同じ人物のマルチビューセットは避ける。 ByteDanceが明確に非推奨としており、顔のずれを防ぐどころか誘発する可能性があります。
- 重要度順に並べる。 プロンプトの前に置くほど影響が強くなります。キャラクターを場所より前に、場所をムードボードより前に置きます。
多くの「一貫性ハック」動画が言い換えて売っているコツは、これがすべてです。被写体を明示的に定義し、少数の質の高い参照を渡し、意図を持って順序を決めます。
複数の動画で同じキャラクターを保つ
ここには、資料が引いている明確な境界があり、どのチュートリアルも曖昧にすべきではありません。Seedance 2.0には永続的なキャラクターIDも、seed入力も、リクエストをまたぐ記憶もありません。ByteDanceのパラメーターリファレンスにもreAPIのAPIにもseedは公開されていません[1][3]。したがって、「Seedanceはseed番号を使うのか」という質問への答えは明快です。いいえ。決定性はseedではなく参照によって制御します。
代わりに有効な方法を、制作で使う順に示します。
参照セットを固定する。 どのリクエストでも、同じキャラクター画像、同じ順序、同じ紐付け表現を使います。Seedance 2.0の一貫性は同一入力から生まれるため、参照セットをプロンプトと一緒に保存し、何か変更した場合は新しいキャラクターバージョンとして扱います。
return_last_frameで連結する。 APIは生成結果の最終フレームを返せます[1]。それを次のクリップの先頭フレームとして渡せば、つなぎ目でアイデンティティを引き直すことなく、シーン間の連続性を作れます。
生成された顔を正式な方法で再入力する。 過去30日以内に自分のアカウント向けにプラットフォームが生成したコンテンツは、顔を含んでいても信頼済み入力として扱われます[7]。この仕組みにより、顔に関するルールの下でもキャラクターを反復的に作り込めます。
大規模評価では、ByteDanceの技術レポートが、Seedance 2.0を同世代モデルの被写体一貫性評価で1位としています[5]。上記の仕組みは、その能力を1本のクリップだけでなくシリーズ全体で発揮させる方法です。
音声、音楽、リップシンクの問題
Seedance 2.0の音声参照は、出力の音、演技のタイミング、声の特徴という3つを誘導します。APIはreference_audioロールで最大3本、合計15秒までのクリップを受け付けます[1]。「この曲をキャラクターに演じさせたい」場合の実用的なワークフローは、そのままです。曲を添付し(APIプラットフォームでは公開URL)、画像からキャラクターを紐付け、演技内容をプロンプトで指定します。
リップシンクについては、情報源によって表現が分かれており、正確に区別する価値があります。ByteDanceのAPI資料は音声と動画の同時生成や、音声に誘導された出力を説明していますが、「lip-sync」という語は登場しません。その表現を明示しているのはDreaminaの製品資料で、音声サンプルが声の特徴を導き、「aligns lip-sync, pacing, expressions」と説明しています[4]。実際には同じモデルファミリーが両方を支えていますが、口の動きが正確に同期することを契約上必要とする制作パイプラインなら、資料の一文を根拠にせず、自分の素材で検証してください。API側の表現は意図的に保証範囲を狭くしています。
クリップ間の声の一貫性も、映像と同じ考え方です。毎回、同じ音声サンプルを同じ入力枠で再利用します。固定できるvoice IDは存在しないため、サンプル自体がIDになります。
生成で崩れにくいマルチショット用プロンプト
1本のクリップに複数のショットを入れる公式パターンは、番号付きの絵コンテ形式です。「Shot 1: … Shot 2: … Shot 3: …」と記述します[2]。ガイドから直接得られる注意点は2つあります。ショットごとの正確な秒数は確実には守られないため、タイムコードではなく順序と強調点を書くこと[2]。そしてショット数が増えるほど複雑さも増すため、マルチショットでは「参照を少なくする」ルールが一層重要になることです。
1回の生成に収まらない長さの場合(Seedance 2.0の上限は15秒です[1])、絵コンテ → 固定参照セットを使ったクリップ別プロンプト → return_last_frameで接続、という流れにします。これは、Seedance 2.5で予告されている30秒の1パス生成とセグメント単位のプロンプト制御が短縮しようとしているワークフローでもあります。確認済み情報はSeedance 2.5公開前ガイドで更新しています。
これらすべてをAPI経由で実行するなら、参照機能一式(画像、動画、音声、先頭フレーム、最終フレームの返却)はreAPIのSeedance 2.0で利用できます。料金は秒単位で、参照モードのリクエストは純粋なテキスト動画生成より安く設定されています[3]。
よくある質問
Seedance 2.0では参照画像を何枚使えますか?
1回のリクエストで最大9枚の画像、さらに動画3本(合計15秒)と音声3本(合計15秒)を使えます[1]。ByteDance自身は、上限まで使うのではなく、厳選した4~5個の素材を推奨しています[2]。
複数のSeedance 2.0動画で同じ人物を保つには?
1つの参照セット(顔写真+全身写真)を固定し、subject@image構文で紐付け、すべてのリクエストでまったく同じように再利用し、return_last_frameでシーンをつなぎます[1][2]。キャラクターロック用のパラメーターはなく、参照セットそのものがロックになります。
Seedance 2.0はseed番号を入力に使いますか?
いいえ。ByteDanceが公開しているリクエストスキーマにもreAPIにもseedパラメーターはありません[1][3]。再現性は同一の参照とプロンプトから得られますが、ビット単位で同じになるのではなく、緩やかな再現性です。
Seedance 2.0はSunoの曲にリップシンクできますか?
曲を音声参照として添付し、歌唱パフォーマンスをプロンプトで指定します。APIには音声誘導生成が記載されています[1]が、明示的なリップシンク調整の説明はDreaminaの資料にあります[4]。公開品質の同期が必要なら、自分の映像で検証してください。
Seedance 2.0では音声クリップを何本使えますか?
最大3本、合計15秒以内です。また音声だけでは使えず、リクエスト内でほかのコンテンツと組み合わせる必要があります[1]。
1本のSeedance 2.0クリップで複数ショットを指定するには?
公式ガイドに沿って、「Shot 1 / Shot 2 / Shot 3」のような番号付き絵コンテ形式で書きます。ガイドは、ショットごとの正確な長さは概算になるとも注意しています[2]。
キャラクターの顔が拒否されたのはなぜですか?
実在人物の顔は参照として直接アップロードできません。これはモデルレベルのルールであり、同意に基づく例外も文書化されています[7]。詳しくは利用不可エラー解説をご覧ください。
一貫性を保つ方法を一文で
被写体を明示的に紐付け、キャラクターを先頭にした厳選4~5個の参照を渡し、シリーズ全体でそのセットを固定し、最終フレームを使ってクリップをつなぎ、音声が重要なら同じ声のサンプルを再利用します。ここまでの内容は俗説ではなく、すべてByteDanceの公式資料に基づいており、reAPIの1つのエンドポイントで実行できます。これが、謎に頼らずSeedance 2.0でキャラクターの一貫性を保つ方法です。少数の優れた参照を、毎回同じように使ってください。
参考資料
- Volcano Engine / BytePlus(ByteDance)。Seedance 2.0 APIリファレンス — contentロール、参照上限、先頭フレームとの排他性、return_last_frame。 2026年7月参照:docs.byteplus.com/en/docs/ModelArk/1520757
- Volcano Engine / BytePlus(ByteDance)。Seedance 2.0公式プロンプトガイド — 被写体の紐付け構文、参照数と順序、マルチショットパターン。 2026年7月参照:docs.byteplus.com/en/docs/ModelArk/2222480
- reAPI。Seedance 2.0 — API資料とモデルページ。 2026年7月参照:reapi.ai/docs/seedance-2-0
- Dreamina(CapCut)。Seedance 2.0ツールページ — 音声サンプルとリップシンク調整。 2026年7月参照:dreamina.capcut.com/tools/seedance-2-0
- ByteDance Seed。Seedance 2.0ローンチ記事と技術レポート(arXiv:2604.14148)。 2026年7月参照:seed.bytedance.com/en/blog/seedance-2-0-official-launch
- Dreamina(CapCut)。Seedance 2.0プロンプトチュートリアル — @AssetName参照とMultiframes。 2026年7月参照:dreamina.capcut.com/resource/seedance-2-0-prompt
- Volcano Engine / BytePlus(ByteDance)。生成コンテンツと同意確認済み素材に対する信頼済み入力の例外。 2026年7月参照:docs.byteplus.com/en/docs/ModelArk/2291680
関連記事
- reAPI。Seedance 2.0の「Not Eligible」:原因と有効な対処法。 reapi.ai/blog/seedance-not-eligible-explained
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